この記事では、11月14・15日に行われた富山vs川崎の試合を振り返りたいと思う。
両チームとも今シーズンはここまで上位をキープしているチームであり、熱戦が期待されていた。
結果として、第1戦、第2戦はお互い対照的な試合展開となった。若干、富山サイドから見た書き方となっているが、筆者が思ったことを述べて聞きたいと思う。
第1戦(11/14)
第1戦を総括すると簡単に次のような感じかな。
富山の悪いパターンが出て、川崎の今シーズン積み上げてきたディフェンス力が発揮された
マブンガ依存
富山の悪い点はマブンガ依存である。序盤から、マブンガがボールを持つ時間が長くなった富山。なかなかボールも回らない。苦しいシュートが多くなった。
この試合のマブンガのターンオーバーは7本である。シュートクロックギリギリで放つシュートも増え3P%は3/10と確率が良いとは言えなかった。一方で、何とか試合をつないでいたのは、前田、橋本、城宝の3Pであった。それぞれ、3P%は2/4、1/1、2/2だった。
富山は試投本数は少ないが確率の高いスリーポイントに加え、スミスのインサイド攻撃に助けられた感が強かった。おかげで、常に川崎がリードを保つものの、何とか離されずについて行くことができた。
川崎の宇都対策
富山でもう一つ気になったのは、宇都である。チーム2番目の出場時間の31分の出場にも関わらず3得点に終わっている。客観的に試合を見ているとちょっとミスが見られたかな?と思うくらいだった。とは言え、宇都のターンオーバーはたったの1回だった。宇都に注目して見ているとひとつのことが分かった。
それは、川崎のちょっと変わった(徹底したとも言える)宇都対策である。
川崎には、エースガードを止めることで知られている長谷川がいる。その長谷川が宇都をマークする時間が長くなるのではないかと思ったが、そうでもなかった。
川崎がとった宇都対策は、宇都のマークマンを超頻繁に変更することであった。筆者が見た限りでは宇都は、篠山、長谷川、藤井、増田、辻、熊谷とほとんどの日本人選手にマークされていた。川崎は頻繁に選手交代を行うチームであり、選手交代のたびにマークが変わるのは普通であるが、選手交代がなくても1回1回の攻撃でマークマンを変えている様子が伺えた。
この対策には、日本代表経験のある宇都でも非常に戸惑っただろう。完全に宇都が押さえ込まれた第1戦であった。
川崎のオフェンス
一方川崎は、ディフェンスがうまく機能し、オフェンスでもファジーカスのシュートタッチが良かった。スタッツは3P%が4/5、2P%が6/10、リバウンド13、25得点といつも通りの活躍を見せた。
そして、新加入のマット・ボンズの出場時間も比較的多く与えられ、余裕のある試合運びをして勝利した。
第2戦(11/15)
第2戦の総括はこんな感じ。
勝たなければならない試合に勝てた富山
発揮された富山の強み
富山は第1戦の良くなかった点をしっかり修正してきた。とは言え、マブンガから始まる攻撃は多い。第1戦と違ったのは、パスがしっかり回ったということと、マブンガ、スミスのラインでの得点が増えたことだ。
また、第2戦でも橋本、城宝のアウトサイドは力を発揮した。インサイドでスミスが得点を量産し、それに寄ったディフェンスの逆をつきアウトサイドでも得点を稼ぎ、川崎を引き寄せなかった。そして、さらに追い討ちをかけたのが第1戦3得点の宇都のドライブからの得点であった。やはり、少しでもスペースがあると宇都のドライブはなかなか止められるものではない。
第2戦はマブンガ、スミスのラインが際立ったものの、各選手の長所を活かすことができ、チームとしてもバランスの取れたオフェンスができた。
ディフェンス面でも第1戦で課題となったスクリーンからのズレからの得点は大幅に減少したと感じられた。攻守がうまく噛み合い勝利を手にした。
ベストメンバーでない川崎
川崎は、富山との2戦はベストメンバーといは言えなかった。カルファニとヒースの離脱はかなりの戦力ダウンとなっている。ビックラインナップが強力な武器で、これからこの戦い方で勝ち数を増やしてこうとした最中である。チーム戦術が大きく変わるだろう。これからのチームの立て直しが必要かもしれない。
とは言え、川崎のディフェンスは素晴らしかった。頻繁にメンバー交代を行うも大きく戦力ダウンもせずディフェンスでプレッシャーをかけ続けられるのが強みだろう。
ただ、第2戦に至ってはスミスにやられすぎた印象がある。ファジーカス1人では守りきれなかった。次の富山戦までにスミス対策を十分に行う必要があるだろう。
メンバーも入れ替わり、これからのチーム立て直しが求められる中、1勝できたことは川崎にとっては大きいだろう。さすが川崎と言いたい。