こんにちは。
この記事では、日本人で初めてドラフトからNBA入りした八村塁選手のNBA一年目のシーズンを振り返ろうと思います。
みなさん、この映像は覚えていますでしょうか?
"With the ninth pick in the 2019 @NBADraft, the Washington Wizards select … Rui Hachimura (@rui_8mura) from Toyama, Japan and @ZagMBB." #WizDraft | #DCFamily pic.twitter.com/mInsqAf4Hh
— Washington Wizards (@WashWizards) June 21, 2019
日本のバスケファンなら誰もが記憶に残っている瞬間でしょう。
日本のバスケ界を変えた歴史的瞬間ですね。NBAのワシントン・ウィザーズから一位指名された瞬間です。
僕は、八村選手と同じ富山出身です。彼がバスケを始めた中学1年の時から彼を知っています。
僕が奥田中学校(彼の母校)と対戦した時は、彼は1年生でベンチ外でした。どうしてか分かりませんが、その時から彼は噂になる存在でしたし、僕も彼のことを認識していました。
不思議ですよね。まだ試合にも出たこともないし、バスケもやったことのない中学1年生がちょっとした噂になるって…誰も彼がNBAに行くと思ってもいないのに。
やはり、彼にはそういった雰囲気というか運というか何かがあったのでしょう。
僕は、バスケが大好きなので、そんな噂になっていた八村選手をずーっと追っていました。とはいえ、高校を卒業し、大学で渡米した時でもNBAに行くとは思ってもいませんでした。
八村選手のアメリカでの成長スピードは凄まじいものでした。僕の予想をどんどん超えて行きました。
気が付いたら、アメリカでもバスケットボール選手としてかなり有名になっていました。本当にあっぱれです。
個人的な話はここまでにしておいて、八村選手のNBA一年目を振り返って行きましょう。
NBAデビュー戦を覚えていますか?

八村選手のNBAレギュラーシーズンのデビュー戦を覚えていますか?
レギュラーシーズンの開幕戦をスタメンで出場しています。対戦相手はダラス・マーベリックスです。
この試合の八村選手のスタッツを見て行きましょう。
MP:出場時間, FG:フィールドゴール, ○○A:○○の試投数, TRB:リバウンド合計, AST:アシスト, STL:スティール, BLK:ブロック, TOV:ターンオーバー, PF:ファール数, PTS:得点数
MP | FG | FGA | FG% | 3P | 3PA | 3P% | FT | FTA | FT% | ORB | DRB | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS |
24:51 | 7 | 15 | .467 | 0 | 3 | .000 | 0 | 0 | – | 4 | 6 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 14 |
得点とリバウンドで開幕戦からいきなりダブルダブルを記録します。この試合を見ただけで、NBAでも十分やっていけるプレイヤーであると確信しました。
この試合から、21歳八村塁のNBA人生が幕を開けます。
一年目のスタッツ
八村選手の一年目のスタッツを見ていきましょう。
G:試合数, GS:スタメンの試合数, 他のデータは全て1試合あたりの数字(平均)
G | GS | MP | FG | FGA | FG% | 3P | 3PA | 3P% | 2P | 2PA | 2P% | FT | FTA | FT% | ORB | DRB | TRB | AST | STL | BLK | TOV | PF | PTS |
48 | 48 | 30.1 | 5.3 | 11.4 | .466 | 0.5 | 1.8 | .287 | 4.8 | 9.5 | .500 | 2.4 | 2.9 | .829 | 1.6 | 4.5 | 6.1 | 1.8 | 0.8 | 0.2 | 1.1 | 2.2 | 13.5 |
- 出場した全48試合でスタメン
- 平均出場時間:30.1分/48分
- 平均得点:13.5点
- FG%:47%
特徴的な数字は上記の数字です。NBA一年目として十分すぎる活躍を見せています。
彼の試合別の得点数をグラフにまとめてみました。参考にどうぞ。

シーズン中盤が怪我で休んでいた時期もありましたが、八村選手のキャリアハイは30得点で20点以上をあげた試合も多くあります。
八村塁の最多○○
八村塁選手のシーズンを通して記録した最高スタッツ(項目別)を紹介します。
項目 | 記録 | 日付 | 対戦相手 |
最多得点 | 30得点 | 12/1 | クリッパーズ |
最多出場時間 (OTあり) |
46分 | 2/24 | バックス |
最多出場時間 (OTなし) |
42分 | 12/5 | シクサーズ |
最多リバウンド | 12回 | 12/10 | ホーネッツ |
最多アシスト | 6回 | 8/3 | ペイサーズ |
最多3P成功数 | 3本 | 8/11 10/30 |
バックス ロケッツ |
先程も紹介しましたが、最多得点30点です。ここから分かるのは、八村選手のオフェンス力はNBAで十分に通用していることです。一年目として、十分すぎる活躍を見せています。
出場時間が40分を超える試合(NBAは1試合48分)もありました。チームの主力の怪我で出場時間が多くなったこともありましたが、それも八村選手の大きな経験となったでしょう。
NBAから得た評価
一年目からウィザーズのスタメンを勝ち取り、チームの主力として活躍した八村選手は、NBAからも高い評価を得ました。
それを象徴する出来事と獲得した賞を紹介します。
NBAオールスター2020ライジングスターゲームに出場
ライジングスターゲームでは、NBA一年目と二年目の若手選抜チームが、チームUSAとアメリカ出身以外のチームWORLDに分かれて試合を行います。いわゆる、若手のオールスターです。
八村選手はウィザーズでの活躍が評価され、チームWORLDに選出されました。ライジングスターゲームには、昨シーズンの新人王ルカ・ドンチッチ(マーベリックス)や同じゴンザガ大学出身のブランドン・クラーク(グリズリーズ)も参加しています。将来のNBAを背負う選手が集められています。
オールスター戦であるため、真剣勝負の試合ではありませんが、八村選手がNBAのスターへの道を踏み出した瞬間です。
試合では、ルカ・ドンチッチのアシストから八村選手のアリウープダンクも見られました。
ライジングスターゲームのハイライトはこちらです。
2019-20シーズンのオールルーキーチームに選出
NBAには、シーズンごとに様々な賞が用意されています。どれも素晴らしい選手に与えられる賞です。
八村選手は、オールルーキーチームの2ndチームに選出されました。
ここで、2019-20シーズンのオールルーキーチームの1stチームと2ndチームに選出された選手も紹介しておきます。
1stチーム
- ジャ・モラント(グリズリーズ,新人王)
- ケンドリック・ナン(ヒート)
- ブランドン・クラーク(グリズリーズ)
- ザイオン・ウィルアムソン(ペリカンズ)
- エリック・パスカル(ウォリアーズ)
The 2019-20 NBA All-Rookie First Team! @JaMorant (unanimous)@nunnbetter_ @brandonclarke23 @Zionwilliamson @epaschall pic.twitter.com/BniTOIp11X
— NBA (@NBA) September 15, 2020
2ndチーム
- タイラ・ヒーロー(ヒート)
- トレンス・デイビス(ラプターズ)
- コービー・ホワイト(ブルズ)
- PJ・ワシントン(ホーネッツ)
- 八村塁(ウィザーズ)
The 2019-20 NBA All-Rookie Second Team! @raf_tyler @TerenceDavisJr @CobyWhite @PJWashington @rui_8mura pic.twitter.com/RmGPrEbXCl
— NBA (@NBA) September 15, 2020
シーズンが始まる前から名を轟かせていた選手や、プレーオフで名を世界に轟かせた選手と未来のスター選手の顔ブレです。
八村選手もNBAではもう名が通る選手です。来年の活躍にも期待しましょう!
一年目で見えた課題
NBA選手として、十分な活躍を見せた八村選手ですが、いくつか課題も見られました。ここでは改善すべき課題を二つ上げます。
スリーポイント
現代のNBAは誰もがスリーポイントを積極的に狙う時代となりました。ビックマンだから、センターだからと言ってスリーポイントを打てないのは現代NBAの主流には合いません。
実際に、ワシントン・ウィザーズのヘッドコーチからも「ルイはスリーポイントの向上が必要だ」と言われています。八村選手自身もスリーポイントを一つの課題にあげています。
今シーズンの最多スリーポイント成功数は3本でしたし、試投数自体も多くありませんでした。
来シーズンは八村選手のスリーポイントの向上度にも注目していきましょう!
ディフェンス
八村選手がディフェンスを苦手としているイメージはあまりないかもしません。
しかし、NBAのスター選手やスピードの早い選手のディフェンスをしている時、ちょっとしたフェイクに引っかかり、無駄なファールをしてしまう場面が多々みられました。
相手のポンプフェイクに引っ掛かり簡単にフリースローを献上してしまう場面もありました。
とはいえ、八村選手はまだ一年目です。NBAには数々の経験・努力をしてきた強者が集まります。何年もNBA選手をやっている人の方が技術があるのは当然でしょう。
八村選手は幸運なことにも、試合の出場時間を長くもらうことができ、一年目で様々な経験をしました。ディフェンス面でも多くの経験をしたはずです。
二年目では、まずは簡単なフェイクに引っかからないことからクリアし、徐々にNBAのディフェンスに順応していくことを期待しましょう。
まとめ

この記事では、八村塁選手のNBA一年目をざっくりと振り返りました。
日本人初、NBAドラフトからのNBA入りした時から一年以上経ちました。
八村選手は我々の想像以上の活躍を見せてくれました。
しかし、NBAにはまだまだ上の世界があります。課題もいくつか見られました。
成長の速い八村選手は二年目以降どのような選手になっているでしょうか。
想像もできません。これからも八村選手の活躍には期待しましょう!